公開日 2018年12月17日 最終更新日 2018年12月17日 by JE2UFF_Toshi
先週リリースされたWSJT-X2.0を、早速インストールして実践で使用してみての感想について書いてみる。
同然、インストールは別DIRを設定してインストールしたので、WSJT-X1.9もそのまま使用出来る状態になっている。
実際に使ってみて、まずは性能ではなく環境と言う面から感じたことについて述べてみる。
まだリリースしたばかりなので、1.9と2.0は混在してバンド内に存在しており、全般的に見て2.0で運用しているのは、まだ少ない感じがする。
当然ながら1.9と2.0は75bitと77bitで互換性は無いので、同時に電波が出されてもお互いはデコードできないので、見えないと同じ。
また、ある時間帯では片方しか見えない時も有った。総じて、20mの方が2.0でQRVしている人のほうが多いように感じた。
また、2KHz以下と以上で棲み分けをするように推奨されているが、推奨だけであった決まりごとではないため、バンド内に散らばってQRVしている。
従って、ハンドは賑わっているなって思っても、2.0では殆どデコードしないこともある。2.0KHz以上にたくさんQRVしていても、2.0でQSO出来るとは限らない状況だった。
それでは、実際の性能について感じたことを書いてみる。
一番感じたことは、1.9と比較して2.0は弱い信号でも通りが良くなっているという事。つまり、弱い信号でのデコード率が上がっているということだ。
1.9の場合には、−20以下の弱い信号に対して1発で通る事はなかなか難しかった。しかし、2.0は比較的1発で通る事が多く、QSOがスムーズに出来た。
レポート交換はできたが、最後の73が取れずに終了できなかったということは無かった。直接影響しているのかわからないが、渾身にも若干だが強くなっているように感じる。
1.9の時には、近くに強い局が出ていると割と強くてもデコードできない事が有ったが、2.0からは少なくなったように感じる。これは77bitになった影響なのかはわからないが、弱い信号がデコード出来ているで、QRMを受けて弱い信号でもデコード出来るようになったとも言えるのかもしれない。
しかしながら、性能は明らかに向上しているのと同時に、今後のペディは2.0以降でししか対応しないと言っているので、速やかに2.0への移行を進めて欲しい。
おっ、今日は沢山QRVしている局が居るなって思ってから、1.9と2.0の両方をチェックし、QRVしている局が多い方に多数決結果の如くQRVするのは効率的ではない。
デファクト・スタンダードと言う言葉があるように、今残っているモードは大衆に支持されたモードが残っているのであり、新たなモードに対し混乱期を長引かせないようにするためにも、速やかに2.0へ移行することなのだろうと思う。
作った本人も、性能的にも良いということと、混乱を避けると言う意味からもアンダーコンパチにしなかったのだと思う。レガシーを残すと、良いこともあるが、多くの場合には問題に成る方が多い。
そう考えると、ユーザーは早々に移行するべきであり、互換アプリを出している者は、速やかにアップデートする義務があると思う。少なくともリリースして世に送り出しているのだから。
もしかしたら、WSJT-Xのオリジナルソフトメンバーは移行が加速しているが、1.9で運用しているのは互換アプリのメンバーかもしれない。アップデートしたくてもリリースされていないのだから。
アマチュアなんだから、幾つものモードが有っても良いと言う考えもあるだろう。互換アプリがあるから、競争原理で良いものが生まれていくと言うことも言えると思う。しかしながら、良かれと思ったことが混乱を招くケースのほうが多い。
混乱は混沌しか産まない。マス埋め競争が何でもありを生み出したのと同じだ。それらの混沌に嫌気が差してやめていく人は現実的存在する。
混乱は混沌を、混沌は混信を生み、結局誰もQSO出来ずとなりかねない。
みんなが楽しくQSO出来るように、QRVしている人は速やかに移行することが望ましい。次週の3連休には、もっとたくさんの人が移行を完了し、どちらが多いかななんて確認しなくても良いようになってほしいね。
間違いなく性能的にも上がっているのだから。