公開日 2018年8月7日 最終更新日 2018年8月7日 by JE2UFF_Toshi
おおはようございます。台風が近づいてきており、昨晩から吹く風はだいぶ涼しくなってきました。ただ湿度自体は下がってきていないので、蒸し暑さは変わりませんが。
今後の進路が気になりますね。
さて、EMEを運用している関係で見えない信号を見えるようにしたいと言う思いから、いろんなLNAを取っ替え引っ替え交換して実際に使用して確認作業を行ってきたのですが、最近購入したRF Designの物を付けてみてある結論に近づいた。
それは、信号と識別出来なければLNAを使っても見えるようにならないということ。これはHFをやっている時に、100万円のトランシーバーを購入すれば、今まで聞こえなかった信号が聞こえるようになるのか?と言う疑問と全く根底は一緒だった。
見えない信号だから、もっと利得を上げれば見えてくるようになるのではないか?そんな思いだけが先行して、色んな種類のLNAを購入して取っ替え引っ替え試してみることになったんだ。
また、著名なEMEerも40dB近い利得のLNAを使用しているから、やっぱり必要なんだなんて勝手に思い込んだりもしていた。しかし、海外局のように、周囲に家がまったくなく巨大なアンテナを設営出来るような場所であれば、人工ノイズと言う物を考慮しなくて良いので、利得は十分上げられるのだという自分なりの結論に到達した。
そもそも、何でこんな事にハマったかと言うと、TGのペディのときに先方はずっと電波を出しっぱなしと言う中で、全く信号のかけらすら見ることが出来なかった事が、このLNA評価地獄にハマる根源何だ。
そして、上は40dBから下は20dBまでいろいろと使ってみたんだ。今使用しているアンテナは8x20Hなんだが、こんなアンテナでも論理的なフロントゲインは28dBほど有ることになっている。
ここに40dBのLNAのを付けるとどうなるか?総合的には約70dB弱の利得になるわけだが、これを一般住宅地で近くに携帯電話のアンテナがある場所で使うとどうなるか。
空Sが振るのは当たり前ですが、どうやら余分な周囲の雑音や電波の影響を受けてクロモジみたいな現象になる。バンド内にヒュルヒュル言うような変な信号だらけになる。LNAの入り口にBPFを取り付ければよいのだろうが、アンテナが周波数によってBPFの設計値の50Ωにならないので、BPFの帯域特性が乱れて逆に悪くなる場合も有るようだ。
これが、先般購入したLNAでも症状が見られる。利得は30dB程度なんだが。これでもトータルは60dB弱なので、このレベルでも使い物にならない。
そう考えていくと、今まで使った中でよく見え、NFも低いように感じた(NFメーターが無いので測れないので耳で聞いた感じ)のはVHF Designのものだ。
このLNAは利得こそ高くないが、よく見えたんだよね。
結果から言うと、私の周囲環境からは総合で50dB程度が一番調子が良いようだ。空Sも少し振っているが、確実に信号を拾ってくれる。
ここまで、結構な金額を投入してLNAをいろいろと使ってきた。EME用とうたっている物はやはり無茶苦茶利得は無いが、NFがよく信号をよくデコードしてくれた。これまでは利得は有れば有るだけ良いと言う変な考えだった。しかし、この実験でやはり適度と言う言葉があることを再認識した。
最終的に今使っている30dB強の物に、出力側に狭帯域のBPFを入れたら改善するかを評価し、物にならなければそれで元に戻す事でこの評価は終了しようと思う。
高利得の物は、多段スタックではない物に対しては有効的かもしれないが、多段スタックの場合は利得過多になりやすいという事ですね。