公開日 2023年12月10日 最終更新日 2023年12月10日 by JE2UFF_Toshi
おはようございます。この週末は日中の気温が若干暖かいようで、穏やかな日になってきておりますね。T32TTは相変わらず17mのログは載らずに20mが追加されました。1QSOのはずですが、こちらも2QSOになっています。ハテ?
さて、昨日も日中リベンジをしようとしてWARCバンドで待機していましたが、信号が上手く見えなかったので、内職を行いました。
以前に過大入力かなにかで壊してしまったLNAの修理を試みました。
対象品はKuhenのLNAで、四隅のシールを切り取ることでカバーを外すネジが見えます。
このネジを外して中を見ると、以外とシンプルですがちゃんと出力段にBPF用コイルが有るのが確認できます。
対象物は丁度真ん中に有るMMICですね。どんなICを使用しているのか確認しようとしてUSB型電子顕微鏡で確認したのですが、表面の品番が削り取られており具体的な品名は確認できませんでした。
KuhenのHPには回路図も載っていないし、IC名も書いてないので実際に何を使用しているのかは分かりませんでした。
しょうがないので、ICのリード形状をみると、4つ有るリードのうち1つが幅広になっております。これは自分が持っているATF53189とリード形状が一緒なので、たぶんこれで代用ができるのではないかと甘い考えで交換作業を実施しました。
交換作業と言っても、SMD ICを交換するので一苦労です。何せICの大きさは縦横供に2mmは有りません。まずはフラックスを塗って、半田吸い取りようの編み線で半田を取ります。
半田が取れたことが確認できたら、小手先で少し力を掛けてICを動かします。エアーブローで取り外そうかと思ったのですが、キバン自体が小さく周りの部品も熱風で飛んでしまいそうなので、鏝でなんとか取り外しました。
取り外した後、もう一度フラックスを塗って表面を一度平らに残った半田を溶かします。そして交換用ICを載せてピンセットで押さえながら1つだけ足を半田付けします。
位置のズレが無いことを確認して、フラックスを塗り残り3つの半田を行います。
ちょっと見にくいですが、半田は上手く載っていますが、フラックスでテカテカですね。
USB型電子顕微鏡で見る限りショートもなさそうですので、交換工事は完了したことになります。
これでちゃんと動けば儲けものですね。
Agilentの8970Bに接続して電源を入れてみます。
無事電源も入り、Gainは19.47dBでNFは0.95になりました。購入時に測定したときは、20dBでNFは0.5くらいでしたので、悪化したことになりますね。
中を確認したときに、バイアス調整用のVRが有りましたので、とりあえずこれを調整して変わるかやってみました。
金属ドライバーでは数値が浮遊容量で変わってしまうので、セラミック製の調整ドライバーでゆっくり回しながら最小点を探します。
こんなもんかなと言う点で調整をやめ、カバーを取り付けてみた結果がこれです。
Gainは20dBには届きませんでしたが、NFは0.43と0.5を切りましたのでこんなもんでしょうね。
実際にリグの入り口に取り付けて確認したところ、メーター振れで20dB程度の差がありますので、測定器の数値通りの状況になっているようです。
MMICが正しいのか分かりませんが、とりあえず使えるようにはなったようです。また現状のLNAが壊れたら交換用としてストックしておこうと思います。
今回は最難関のMMIC交換作業を実施しました。周囲に隙間があればもう少し簡単にできるのかも知れませんが、普通のチップ部品の交換よりはかなり大変ですね。
でもこういう作業は面白いですね。