公開日 2025年1月16日 最終更新日 2025年1月16日 by JE2UFF_Toshi
おはようございます。また寒さが戻ってきたようですね。現在は0℃で、山間部では-6℃まで下がっているようです。日中も10℃前後にしか上がらないようです。風が強いと寒いだろうな。
さて、IC-9700の周波数安定度についてMLでまた面白い話が流れておりました。IC-9700の周波数安定度の話は過去にもいろいろも問題になっており、一般的にはIC-9700単体では周波数安定度が悪くデジタルモードでは使えないです。
自分も430MHzのEMEで経験しましたが、周波数ドリフトが激しく1分間の送受信の繰り返しでは、最初の周波数と55秒後の周波数ではドリフとしてしまいデコードできませんでした。
これは1200MHzになると更に顕著で、FT8の信号をウォーターフォールを見ているとバナナの様に曲がってズレていくのが分かります。
このため、一般的には外部基準信号を入力するのですが、IC-9700はFWの仕様上外部信号に対して常に同期を取っているわけではありません。
ましてや、外部基準信号がGPSを使用して常に外部信号自体が同期を取るGPSDOでないと1200NHzでEMEをやるときなど不十分のようです。(自分はやっていないので分かりませんが)
従って、EMEをやっている人は(自分もそうです)が、IC-9700の外部基準信号の10MHzを入れる際、インジェクションボードを使用してTCXOの周波数である49.152MHzに直接ロックを掛けます。
有名なのはLEOのインジェクションボードとDF9NPのボードを使用する組合せで、この場合は外部基準信号が10MHzで済みます。
自分はLEOのインジェクションボードと同じくLEOのGPSDOを使用し、直接49.152MHzをインジェクションボードに入れています。この際、通常のGPSDOより出力が必要になるため、知っている範囲ではLEOのGPSDO以外は規定の出力が出ないと思います。
LEOのGPSDOは専用設計になっているため。
今回のMLの話では、このインジェクションボードを使用しても安定しない問題が発生しているという話で、いろいろと調べていくと幾つかの複数要因で発生するようです。
一番大きな要因としては
- インジェクションボードと外部基準信号を接続するケーブル劣化や取付不良
- GPSDOのGPS信号の受信状態
が有るようです。
インジェクションボードを使用する場合、IC-9700の本体を開きメインボードに直接改造を加えます。その際に引き回し上でケーブル配線をするときにケーブル自体やコネクタの接合部に負荷を掛けて接触不良を起こしやすいようです。
また、GPSDOにGPS用の外部アンテナを接続しているにもかかわらず、GPSDOの周波数が微妙にドリフトするのは、GPS信号が弱いためにGPSDO自体のロックが不安定になるようですね。
また中華製のGPSDOの中にはOCXO自体が中古品を使用している物が多いので、あまり価格の安い物は安定度に問題があるようです。
IC-9700を使用しデジタルモードを運用する場合は、外部基準信号を使うのは必須ですが、その際に必ずGPSによる補完がされていないと長時間の運用では影響があるみたいです。
MLで紹介があり、これは良いなと思ったのが以下の内容です。
VK4AMGのBlog記事ですが、個々で紹介されているLockキバンとGPSDOの紹介で、特にGPSDOはちゃんとウォームアップされてOKなのか表示が有るのがよいですね。
これはRefロックの動作チェック方法が説明されています。参考になりますね。
また、ここで使用しているRefGen-9700の説明は以下にあります。
LEOのものより、こちらの方がよいかも知れませんね。
また、OZ9AARによる基準クロックを8つに分割するディストリビューション・ボックスも興味ありますね。
最近の無線機は外部基準信号が入力出来るようになっているので、これを使用すれば1個のGPSDOから安定した基準信号を、持ってる無線機に全て入れる事ができます。
HFの場合にはあまり必要ないかもしれませんが、VUHFの場合は安定度がかなり上がりますね。
EME系のMLを見ていると、いかに無線機の安定度を保つかに挑戦されているのがよく分かります。
特に最近よく使われるIC-9700については記事も沢山ありますね。
もっとも、ふつうにFT8で使用するならGPSDO+GPSと本体に接続し、FWで基準周波数調整をキチッと行えば十分使用に耐えますけどね。
外部基準信号でロック掛けると、FM等をワッチしているとリグに寄って周波数がバラバラなのが見ていてよく分かるようになりますよ。