公開日 2014年3月29日 最終更新日 2014年3月29日 by JE2UFF_Toshi
次は電波の質についてです。JT65モードはマイク又はACC端子からオーディオ信号を入力し、SSBのように平行変調をかけて出力します。
従って、SSBで気を使う歪みについては、基本的には同じ考えですが、今迄述べて来た通り、実際には更に歪みについては考慮しなければなりません。
送信出力と同じように、発射される電波に歪みが多ければ到底復調される事ありません。
SSBの場合には、どうしても平均電力を上げてパワーを出そうとする傾向が有り、無理に歪ませて平均電力を上げる方式が取られます。
すなわち、強制的にピークをクリッップして尖頭値を下げ、低い部分は強制的に持ち上げ、平均的に電力を上げる方式、そうスピーチプロセッサーやコンプレッサーが用いられます。
SSBの場合には、平均電力が上昇し遠くに電波を飛ばす事が出来ますが、飛んで来た電波を聞くと、妙にキンキンした音や、帯域の広がったような音に聞こえると思います。
JT65モードでは、このような状態で使用する事は、歪みの少ない電波の質を求めているモードですので、全く逆行する事になります。
どうやら相手からのリターンが無いと、ローパワー設定のままパワーを上げる方法としてコンプレッサーを入れるような人もいるようです。
単純に考えれば、手っ取り早くパワーを出すには、SW一つのコンプレッサーONが一番近いですからね。デジタルモードにあまり興味が無かった方が、デジタルモードで特にAF入力のPSKやJT65で犯しやすい間違いの一つです。