公開日 2020年4月29日 最終更新日 2020年4月29日 by JE2UFF_Toshi
おはようございます。昨日SMD部品を交換して蘇らせたG4DDKのVLNAですが、購入時の特性より悪化してしまったので、自分なりに調整を実施してみました。
調整に必要なのはテスターとNFメーターになります。
まずは、INPUT/OUTPUTに50Ωの終端を取り付けます。これを付けないと、発振して正しい状態で調整できないようです。
テスターに10KΩの抵抗を取り付けます。先端のリードを3㎜に切り落とし、TR1(MGF4919)のドレインに当ててR14のVRを回して、1.5V±0.1Vに調整します。
調整できたら、今度はTR2(ATF54143)のドレインに当てて、2.95V±0.1V以内になっている事を確認します。こちらの値は調整できないので確認のみです。自分の場合は、2.89Vでした。
ここまでで、まずは基準の初期値になった事になります。
今度はNFメーターに接続して、実際の利得とNFを測定します。
TR2を交換したVLNAは以下の通りです。
前日より利得、NF共に上昇しています。TR1のドレイン電圧を調整したからでしょうね。
購入時のテータは、利得が39.2㏈でNFは0.40㏈でした。しかし、交換後の値は、利得40.35㏈のNF0.9㏈となっており、NFはかなり悪化しております。
このNFを改善するにはどうするればよいのか、G4DDKのHPを確認して調整方法を見つけました。TR1のゲートにつながっているL1を調整しNFを改善させるようです。
早速L1を調整ドライバーを使用して、コイルの形状を少しづつ変えていきます。形状が形状だけに非常に微妙な調整になります。
悪くなったり良くなったりを繰り返しながら、何とか追い込んだ値が以下の通りです。
L1を調整し、最後にR14の値も微調整してシールドケースのカバーを付けた時の値が利得38.99㏈でNFは0.48dBとなりました。
もっと追い込めるのかもしれませんが、非常にクリチカルでしたのでここで諦めました。
ATF54143の交換により若干特性が下がりましたが、多分聞いて分かるような数値ではないので、これで良しとします。
もっと簡単かと思いましたが、意外と難しかった。このように、LNAの調整にはNFメーターかスペアナは必須ですね。どちらか無いと、とても性能を追い込むことはできないと思います。