コロナウィルスの関係で、海外郵便が滞りを見せている中、やっとマレーシアから購入したツェナーダイオードが到着した。マレーシアがロックアウトする前に出荷されたものだったが、香港経由のDHL便で来たのだが思った以上に時間がかかったようだ。
到着したツェナーダイオードは6.8V/5Wタイプの物で、1N5342Bと言うモノだ。

実際には1本しか使わないのだが、1本は売ってくれず50本で1セットと言う品物。これ50本で送料込み350円なんです。送料込みでこの値段ですから、文句の言いようは無いですね。
これをFANコネクタの所に付けることで、温度上昇時しか回らないFANを常時低速で回しておくことにより、一般使用でファイナルが熱くなった時に急激にFANが回転し、内部温度変化が大きくなりTCXOの周波数がずれるのを防止すると言うモノ。
海外でデジタルモードを運用する人は、必須の改造項目のようです。
実は、自分のIC-9700Sは一度サービスセンターに送ってTCXOの精度を±0.5ppmから±0.2ppmになるように選別した物に交換しているんです。それでもJT65を受信していると、少し動くんですよね。

装置を反転させて、ネジを12本外し底面カバーを外します。リヤパネル側にコネクタが2つ並んでおり、その2ピンの方がFAN用コネクタです。基板上にはJ2881 FANとシルクがあります。
まずはこの2つのコネクタを外し、作業がしやすいようにします。

そうしたら、コネクタの左下にあるTRとコネクタの左側のピンの間にツェナーダイオードを半田付けするんです。

同軸コネクタや、一般工作で使用する半田鏝ではなく、精密部品を半田付けするように先端の鏝先形状が返られ、かつ半田付け温度管理ができる半田鏝を使います。

こんな感じにツェナーダイオードを半田付けします。その際に、TRの近くにあるチップコンデンサに接触しないように注意して半田付けします。
少しピンセットで力を加え、半田不良になっていないかを確認し、問題なければコネクタを挿入し底面カバーを取り付けます。
電源を入れると、今度はFANが低速で回るようになりました。大きなFANですがそこそこの風切り音がするようになりましたが、これで安定度が増すのであれば特に気にしません。
リニアのブロアー音の方がはるかに大きいので気にする事も無いでしょう。
この改造は、FANを低速で回すようにするための改造で、パターンを見る限りFANのON/OFFをしているだけの回路ですから、FWを変更しても低速で回すことはできません。
FW変更ではFANを最初から回すか回さないかの二者択一の身だと思います。FANが3PINの物であれば、速度コントロールができるので、FWでも調整ができるのかもしれませんが、単純な2PINなのでこのような改造をしないと無理なんです。
最後に、デジタルモードを運用している人達が問題視しているTCXOのある位置は、下記写真の黒いクッションの下側になります。このクッションは、FANが回った時の空気の流れを遮るために途中から追加されたようです。
ツェナーダイオードは余ってますので、必要な方は連絡ください。

しかし、海外のmods記事を見ていると、FPGAらしきBGAのパターンにシールド板が付いているのですが、自分のIC-9700Sには付いていませんでした。確かに、海外記事を見ても有るものと無いものが有り、この差は何なのでしょうね。